【速報】請求書にCWT額の表示が義務化|RR 6-2026の内容と、10月16日の発効までに日系子会社がやること

BIRは2026年10月1日にRR 6-2026を公表し、控除可能源泉徴収税(CWT)の対象となる取引では、請求書にCWTの金額を独立した項目として表示することを義務づけました。新しい源泉税が課されるわけではなく、すでにCWTの対象になっている取引について、税額を請求書上で明示するための改正です。発効は2026年10月16日の見込みで、請求書の様式やシステムの確認を急ぐ必要があります。

目次

この記事の要点

  • RR 6-2026(2026年10月1日公表)で、CWT対象取引の請求書に、源泉税額を独立した項目として表示する義務が加わった
  • 新たな源泉税の創設ではなく、すでにCWTの対象となっている取引の税額を、請求書で明確にするもの
  • 発効は、官報またはBIRウェブサイトの掲載日(いずれか早い方)の15日後。10月1日が掲載日なら、2026年10月16日
  • 経過措置:発効日時点の未使用の請求書は、「Less: Withholding Tax」の文言を明瞭に押印すれば、使い切るまで使える。CWTが実際に適用される取引では、この文言に加えて、CWT額を独立項目として示す
  • 発効日以降に新しく印刷する請求書は、この表示を反映した様式にする
  • CAS(コンピューター会計システム)などから請求書を出している企業の猶予は、規則上は明示されていない

何が変わるのか

2024年のEOPT法の施行に伴うRR 7-2024で、請求書の記載要件が示されましたが、CWT額の表示は求められていませんでした。RR 6-2026は、この記載要件を改正し、CWTが適用される取引の請求書に、源泉税額を独立した項目として載せることを求めています。

CWTは、取引先(買い手)が代金から源泉徴収し、売り手が自社の法人税の申告で税額控除に使う前払いの税です(詳しくは「フィリピン源泉税(EWT・FWT)税率一覧表」)。請求書にCWT額が書かれていれば、請求の金額と、実際に入金される金額の差が明確になります。

経過措置:未使用の請求書はどうなるか

RR 6-2026のSection 3は、次のような経過措置を定めています。

  • 発効日時点で持っている未使用の請求書には、「Less: Withholding Tax」の文言を明瞭に押印することで、すでに印刷済みの請求書を使い切るまで使い続けられます
  • CWTが実際に適用される取引では、押印に加えて、適用されるCWT額を独立項目として明示します
  • 発効日以降に新しく印刷する請求書は、この表示を反映した様式にします

【2026年10月25日追記】2026年10月12日付(10月22日受付)のRMC 112-2026で、運用が明確になりました。CWT額の表示は源泉対象の取引だけで、源泉の情報は買い手が売り手に伝えます。システム改修の期限は、電子インボイスの義務の対象となるシステムが2026年12月31日、その他のPOS等とCRMが2027年3月31日です。詳しくは「RMC 112-2026の実務ガイド」をご参照ください。

CAS・ERPで請求書を出している企業の注意点

経過措置は、未使用・未発行の請求書への押印と、その後に新しく印刷する請求書を前提にした内容です。CAS等のコンピューター化されたシステムで請求書を出している場合に、システム改修が終わるまでどうするかは、規則に書かれていません。

発効日が10月16日だとすると、公表から約2週間しかなく、CASを使っている企業が間に合わせるのは現実には難しいと考えられます。一方で、規則上は、CAS利用企業への猶予は示されていません。追加のガイダンスを待つだけでなく、次のことを今から進めておくことをおすすめします。

  1. 自社の請求書で、CWTが適用される取引を洗い出す(顧客が源泉徴収義務者になる取引)
  2. システムの請求書フォーマットに、CWT額を独立項目で出せるか、ベンダーに確認する
  3. 改修が間に合わない期間の暫定対応(押印や、補足の記載など)を、所轄のRDOまたはLT Officeに問い合わせる
  4. 電子インボイスの対応(PTIの取得など)と、同じタイミングで改修する計画を立てる

電子インボイスの期限(12月31日)との関係

請求書の電子化については、2026年12月31日が対応期限で、PTI(Permit to Issue)の取得とEIS認証が必要です(「電子インボイス義務化の2026年12月31日期限」)。CWT額の表示は、請求書システムの改修が重なる項目です。2つの改修を別々に行うと手間が増えるため、まとめて計画するのが現実的です。

よくある質問

新しい源泉税が課されるようになったのですか?

いいえ。すでにCWTの対象になっている取引について、その税額を請求書に独立した項目として表示することを求めるものです。

いつから適用されますか?

官報またはBIRウェブサイトの掲載日(いずれか早い方)の15日後に発効します。10月1日が掲載日であれば、2026年10月16日です。

手元の請求書は、捨てなければなりませんか?

いいえ。発効日時点の未使用の請求書は、「Less: Withholding Tax」を明瞭に押印すれば、使い切るまで使えます。CWTが実際に適用される取引では、押印に加えて、CWT額を独立項目として示します。

CAS(会計システム)から出す請求書は、どうすればよいですか?

規則上、システム改修が終わるまでの猶予は明示されていません。まずベンダーに改修の可否と時期を確認し、暫定対応は所轄のRDOまたはLT Officeに問い合わせてください。

まとめ

RR 6-2026は、請求書の記載要件にCWT額の独立表示を加えた改正で、発効は2026年10月16日の見込みです。経過措置はあるものの、CAS・ERPで請求書を出している企業への猶予は規則上示されていません。12月31日の電子インボイス対応とあわせて、請求書システムの改修を計画してください。カメリアコンサルティングでは、日系企業の請求書・会計システムの対応と、税務コンプライアンスの整備を支援しています。

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執筆・監修:日比野和樹

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