【2026年10月】BIR通達まとめ|請求書のCWT表示、EDRの条件、還付の申請先、電子インボイスのESP認定ほか

2026年9月28日から10月26日までに、BIRからは歳入規則(RR)3本、歳入覚書通達(RMC)16本、歳入覚書命令(RMO)5本が公表されました。請求書への源泉税(CWT)額の表示(RR 6-2026とRMC 112-2026)、追加控除レジーム(EDR)の条件(RMC 105-2026)、税額の還付の申請先(RMC 102・103-2026)、電子インボイスのサービス提供者の認定(RMC 110-2026)など、日系子会社の実務に関係する通達が多くありました。本記事では、10月の通達を一覧で整理し、影響の大きいものは個別の記事で解説しています。

公表日は、BIRの受付日と、BIRサイトへの掲載状況に基づいています。署名日と公表日が大きく異なる通達もあります。

目次

特に影響が大きい通達

通達 内容 主な対象 解説記事
RR 6-2026 請求書に、源泉税(CWT)額を独立した項目として表示する 全企業 RR 6-2026
RMC 112-2026 RR 6-2026の運用(表示は源泉対象の取引だけ、買い手が情報を伝える、Credit Memo)と、システム改修の期限(電子インボイスの義務の対象となるシステムは2026年12月31日、その他のPOS等とCRMは2027年3月31日) 全企業 RMC 112-2026
RMC 105-2026 DOF DO 026-2026:EDRの適用条件、関連者取引、各控除の条件、NCSRの提出 EDRを使う登録企業 DO 026-2026
RMC 101-2026 FIRB決議011-26:エネルギー非常事態の影響を受けたRBEについて、ITH・SCIT・EDRの適用の繰延べや商業運転の開始日の変更を認める一時措置(2026年3月24日から1年) 影響を受けたRBE DO 026-2026
RMC 102-2026、RMC 103-2026、RMO 25-2026 CWTの超過分の還付と、過誤納の還付の申請先・期限・必要書類 還付を受ける企業 還付の申請先と期限
RMC 110-2026 電子インボイスのサービス提供者(ESP)の認定。別の法人に提供するシステムは、BIRが免除しない限りESPとして扱う 電子インボイスの対象企業 ESPの認定ルール

歳入規則(RR)

  • RR 5-2026:電力卸売市場(WESM)の運営者(IEMOP)が、WESMで電力を販売する発電会社その他の市場参加者に支払う、控除前の総額に対し、2%のCWTを源泉徴収する
  • RR 6-2026:請求書の記載事項に、CWT額の独立表示を追加。発効時点で未使用の請求書は、「Less: Withholding Tax」の文言を記載すれば使い切るまで使える(運用はRMC 112-2026)
  • RR 7-2026:シニア市民の20%割引について、医薬品の小売・製造・卸の間で負担を分け合う場合(保健省の定め)、損金にできるのは、負担分担の取り決めに基づく自社の負担分が上限となる。割引の控除は項目別控除として扱われ、概算控除(OSD)を選んだ場合は使えない

歳入覚書通達(RMC)

  • RMC 100-2026:大統領令第125号により、LPG(石油化学の原料・動力用を除く)と灯油(航空燃料を除く)の物品税を一時停止。エネルギー省が証明するドバイ原油の1ヶ月平均価格が1バレル80米ドルを下回ってから1週間後、または大統領令の発効から3ヶ月後の、いずれか早い時点で、自動的に元の税率に戻る
  • RMC 101-2026:FIRB決議011-26(エネルギー非常事態のRBE向け一時措置)を公表
  • RMC 102-2026:CWTの超過分の還付の申請先・期限と必要書類を更新。AITRで繰り越しを選ぶと撤回できない(事業を完全にやめた場合を除く)
  • RMC 103-2026:過誤納の還付の申請先を更新(資本資産である不動産の売却にかかるCGTと関連するDSTは、物件の所在地のRDO)
  • RMC 104-2026:eBIRFormsのオフライン版7.9.6.2を公開(解説記事)
  • RMC 105-2026:DOF DO 026-2026(EDRの条件)を公表
  • RMC 106-2026:国家統計月間(10月)の周知
  • RMC 107-2026:新しい電子DST(eDST)システムの運用。対象者は原則2026年12月31日までに登録(対象となる新規の納税者は、BIRへの登録日から90日以内)。eFPSへの登録とオリエンテーションの受講が必要。eDSTで印紙を二重・複数・誤って貼付した場合は、登録先のRDOまたは大規模納税者課に還付を請求する。障害時は、すぐにBIRのコンタクトセンターに報告し、受付番号(TTN)を取る
  • RMC 108-2026:2026年のBIRの重点施策(徴税目標3.393兆ペソ)
  • RMC 109-2026:EOPT法上の大規模納税者向けに、Taxpayer Portal(登録情報、申告の状況、納付の状況、税目別の元帳の閲覧、通知)を公開
  • RMC 110-2026:電子インボイスのサービス提供者(ESP)の認定ルール
  • RMC 111-2026:個人の退職金運用口座(PERA)の投資商品の追加
  • RMC 112-2026:RR 6-2026の運用と、システム改修の期限
  • RMC 113-2026:BIR登録シールバッジの表示義務を、当面停止(すでにバッジを取得した企業は、任意で表示を続けてよい。停止中に表示しないことだけを理由とする罰則はない)。BIRサイトでは113-2026として掲載されていますが、PDFの本文では通達番号が111-2026と記載されています
  • RMC 114-2026:保険委員会(IC)とBIRの覚書・データ共有契約
  • RMC 115-2026:eFPSの障害のため、2026年10月26日が期限だったVATの四半期申告(2550Q)とパーセンテージ税の四半期申告(2551Q)の申告・納付期限を、10月29日に延長(罰則なし)

歳入覚書命令(RMO)

  • RMO 25-2026:過誤納の還付の受付・審査・承認の担当を更新(RMC 103-2026に対応)
  • RMO 26〜29-2026:RDOの再分類、BIRの2026〜2028年の戦略計画、ビデオ会議の利用、納税者啓発の評価など(BIR内部の運用)

10月の通達を受けて、今から確認しておくこと

  1. 請求書:源泉対象の取引の請求書にCWT額を表示しているか。CWTの表示に必要なシステム改修の期限(電子インボイスの義務の対象となるシステムは2026年12月31日、その他のPOS等とCRMは2027年3月31日)に向けた計画があるか
  2. 電子インボイス:対象企業は、2026年12月31日の期限に向けて、PTIの取得と、外部のESPを使う場合の認定の確認
  3. EDR:2026年12月31日以後に終了する課税年度から、DO 026-2026の証憑とNCSRが厳格に求められる。NCSRの期限は、年次ITRの提出から30暦日以内、または年次ITRの法定期限のいずれか遅い日
  4. 還付:CWTの超過分は、繰り越しを選ぶと撤回できない(廃業時を除く)。還付を選ぶ場合は、AITRの提出から2年以内に必要書類一式で申請
  5. eDST:対象企業は、原則2026年12月31日までに新しいeDSTシステムに登録

まとめ

10月は、請求書とシステム、優遇税制、還付の手続きにかかわる通達が集中しました。特に、電子インボイスの期限と、CWT表示のシステム改修の期限がいずれも2026年12月31日に重なる企業は、早めの対応が必要です。カメリアコンサルティングでは、BIRの通達を踏まえた日系企業の税務・会計の実務を支援しています。

あわせて読みたい

執筆:五十嵐碧/監修:日比野和樹

目次