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【最新】セブの最低賃金は日額582ペソに|2026年10月14日から42ペソ引き上げ・推移と企業の実務対応
セブを含むセントラル・ビサヤ地方(Region VII)の最低賃金は、賃金令ROVII-27により2026年10月14日から日額42ペソ引き上げられ、セブ市などのメトロセブ(Class A)では540ペソから582ペソになります。引き上げは2024年・2025年に続く3年連続で、毎年のように賃金テーブルの見直しが必要になっています。本記事では、改定内容、過去の推移、マニラ首都圏(NCR)との差、日系企業が施行日までに確認すべき実務ポイントを整理します。
この記事の要点
- 2026年10月14日から、Region VIIの最低賃金が日額42ペソ上昇(Class A:540→582ペソ、Class B:500→542ペソ)
- 家事使用人(カサンバハイ)の月額最低賃金も7,000ペソから7,500ペソへ引き上げ
- 日額42ペソは、月26日勤務の換算で月額約1,092ペソ、13か月給与を含めた年額で約14,200ペソの増加が目安
- 最低賃金近辺の従業員だけでなく、上位等級の賃金差(賃金の歪み)、残業・休日手当、委託先の契約単価にも影響する
- マニラ首都圏(NCR)の非農業の最低賃金は日額755ペソで、メトロセブとの差は173ペソ
最終更新日:2026年10月1日。賃金令の内容は報道および国家賃金生産性委員会(NWPC)が公開する賃金令に基づく整理であり、施行後の運用に応じて随時更新します。
フィリピン全体の地域別の最低賃金と最新の動きについては「フィリピン最低賃金ガイド」もあわせてご参照ください。
2026年のセントラル・ビサヤ(Region VII)の改定内容
フィリピンの最低賃金は全国一律ではなく、地域ごとの賃金委員会が賃金令(Wage Order)で定めます。Region VII(セブ、ボホール、ネグロス・オリエンタル、シキホール)では、2026年9月14日付の賃金令ROVII-27が国家賃金生産性委員会(NWPC)に承認され、新聞公告から15日後の2026年10月14日に施行されます。
| 区分 | 対象地域 | 改定前(日額) | 改定後(日額) | 増額 |
|---|---|---|---|---|
| Class A | セブ市・マンダウエ市・ラプラプ市などメトロセブの8都市・自治体 | 540ペソ | 582ペソ | 42ペソ |
| Class B | 上記以外の市・自治体(セブ州のその他の地域、ボホール、ネグロス・オリエンタル、シキホール) | 500ペソ | 542ペソ | 42ペソ |
| 家事使用人 | Region VII全域 | 月額7,000ペソ | 月額7,500ペソ | 500ペソ |
対象は、地域内の民間部門の最低賃金労働者で、報道によれば30万人を超えます。職位や雇用形態、賃金の支払方法を問わず適用されます。
過去からの推移(Class A)
| 施行日 | 賃金令 | 日額(Class A) | 増額 |
|---|---|---|---|
| 2023年10月1日 | ― | 468ペソ | ― |
| 2024年10月2日 | ― | 501ペソ | +33ペソ |
| 2025年10月4日 | ROVII-26 | 540ペソ | +39ペソ |
| 2026年10月14日 | ROVII-27 | 582ペソ | +42ペソ |
2023年10月の468ペソから3年間で114ペソ(約24%)上昇しており、毎年の引き上げ幅も拡大しています。施行時期は毎年10月前後となっているため、予算策定の段階で一定の引き上げを織り込んでおくと対応しやすくなります。
マニラ首都圏(NCR)との差
マニラ首都圏(NCR)の非農業の最低賃金は、2026年9月26日に発効した賃金令NCR-28により日額755ペソとなっています。改定後のメトロセブ(582ペソ)との差は173ペソで、地域間の賃金格差は依然として大きい状況です。NCRの賃金令をめぐる経緯は「フィリピン最低賃金ガイド」で詳しく解説しています。
施行日までに確認したい実務ポイント
1. 最低賃金を下回る従業員がいないか
施行日の2026年10月14日以降、Class Aなら日額582ペソ、Class Bなら542ペソを下回る賃金は認められません。日給制の従業員だけでなく、月給制の場合も、日額に換算して最低賃金を満たしているかを確認します。
2. 上位等級の賃金差(賃金の歪み)の調整
最低賃金の引き上げにより、新入社員と経験者の賃金差が縮まったり逆転したりする「賃金の歪み(wage distortion)」が生じる場合があります。賃金の歪みは労使間で調整する必要があるため、最低賃金近辺の従業員だけでなく、その上位の等級の賃金テーブルも確認しておくことが重要です。
3. 13か月給与・残業代・各種手当への波及
13か月給与は年間の基本給をもとに計算され、残業代・休日手当・夜間手当も基本給に連動するため、基本給の引き上げはこれらにも波及します。月26日勤務で換算すると、日額42ペソの引き上げは月額約1,092ペソ、13か月給与を含めた年額で約14,200ペソの増加です。これに加えて、SSS・PhilHealth・Pag-IBIGの事業主負担も給与額に応じて増加します。
4. 警備・清掃・派遣など委託先の契約単価
警備や清掃、派遣労働者の人件費は、委託先の最低賃金の引き上げに応じて契約単価が改定されるのが一般的です。委託契約の価格調整条項と更新時期を事前に確認し、予算に反映しておきましょう。
5. 適用免除の対象となるか
賃金令には、一定の条件を満たす小規模な事業者や、災害などの影響を受けた事業者を対象とした適用免除の仕組みがあるのが通例です。要件と申請期間は賃金令および地域賃金委員会(RTWPB)の案内で確認し、該当する可能性がある場合は早めに準備します。
よくある質問
最低賃金の引き上げはいつから適用されますか?
2026年10月14日からです。賃金令ROVII-27は、新聞公告から15日後に施行されます。
PEZA登録企業や外資系企業も対象ですか?
はい。地域内の民間部門の最低賃金労働者であれば、企業の形態や出資者の国籍にかかわらず適用されます。
月給制の従業員にも影響しますか?
月給制でも、日額に換算した金額が最低賃金を下回る場合は引き上げが必要です。また、最低賃金より高い水準の従業員の賃金差の調整が必要になる場合もあります。
改定前の賃金との差額を遡って支払う必要がありますか?
施行日以降の賃金から新しい最低賃金が適用されます。施行日前の期間については、改定前の最低賃金が適用されます。
マニラ首都圏とセブで給与水準を分けても問題ありませんか?
最低賃金は地域ごとに異なるため、拠点ごとの給与テーブルを設けることは一般的です。ただし、各拠点の所在地がどの区分(Class A・Class B)に該当するかを確認する必要があります。
まとめ・専門家への相談
セントラル・ビサヤの最低賃金は、2026年10月14日からClass Aで582ペソ、Class Bで542ペソに引き上げられます。施行日までに、最低賃金の充足状況、賃金テーブルの歪み、13か月給与・手当・社会保険料への影響、委託先の契約単価を確認しておくことをおすすめします。カメリアコンサルティングでは、フィリピン全土の日系企業を対象に、給与計算・人件費の試算・賃金制度の見直しのご相談を承っています。まずは「お問い合わせ」からお気軽にご連絡ください。
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出典:国家賃金生産性委員会(NWPC)公開の賃金令ROVII-27、労働雇用省(DOLE)・各報道(2026年9月)
執筆・監修:日比野和樹
